小さなウソ その2



前回の記事で、自分の失敗をなかったことにしていた子供のお話を書いてきました。



今回はその続きです。


だんだん負担が大きくなる


先生に「忘れ物をした」と思われたくなくて「持ってきたけど、なくなっている」と言ってしまえば、


その場は「仕方がないね」と、お友達と一緒に使ったり、予備を使ったりという対応になりますが、


休み時間にはクラス全員で探したり、先生方が全校探してくださったりで、おおごとになります。





本人はそれが自宅にあることを知っていますので、みんなが探してくれることに心を痛めながらも、


「見つからなかったね」という結果に落ち着くまで、待っていればやり過ごせました。


しかし、そういったことが重なってくると、「宿題はしたけれどなくしてしまった」と言った時、


先生から「なくなったことにいつ気付いたの?気付いた時にどうして先生のところに申し出なかったの?」


と、少しつっこんだ対応をされるようになります。


学校でもみんなで探し、自宅でも探すように連絡がいきます。こうなると、やっていない宿題を捨てる


しかなくなります。


このケースでは「仕方がないね」とはなりません。


「今度からは、なくなったらすぐに先生に連絡して、もう一度もらって宿題をするように」と


注意を受けます。しかしその子にとって、これでは作戦失敗です。


ごめんなさいが言えない


その後も、ずっと自分の失敗をなかったことにする作戦を続けていくうちに、気持ちが追い詰め


られてしまい、学校を休むようになります。


お母様も心配されて、お友達として名前があがっていた人に聞いてみようと連絡を取りますが、


本当は一緒に遊んだことがないために、お母様が知りたい学校での子供の様子が伝わってきません。


子供はいじめられているのでは?と思うようになります。


子供が学校へ行けなくなったのは、学校やお友達に原因があるとお母様は思うようになり、


休んでも仕方がないと、結果的に学校に行かない日が長くなっていきました。


きっかけは小さなことでした。「ごめんなさい」が言えていれば、「次からは気をつけようね」で済んだと思いますし、


お友達と大勢で遊ぶのが苦手だとお母様に言えていれば、遊んだこともないお友達の名前を挙げずに


済んだのだと思います。


原因は


前回の記事に書いたように、性格的なものなのか、私立小学校という環境によるものなのか、


限定することはできませんが、「失敗したくない」気持ちが強いこと、「失敗しづらい」環境であることが


影響していると思います。


私立小学校でのびのびと育っていくためには、失敗をおそれずチャレンジし、


失敗しても次に向かう気持ちを持てるよう、アプローチが必要なのかもしれませんね。



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