角田光代さんの「森に眠る魚」です。
どんな作品かと言いますと、
1999年の文京区幼女殺人事件をモチーフに書かれたそうですが、
殺人は作品の中には出てきません。
産婦人科や幼稚園、町内で出会った母親たち、いわゆる「ママ友」がグループになって
いくところから、小学校受験を意識しだすとうまくいかなくなり、物凄い緊張感のある
距離感を保ちながら卒園で自然消滅するのを待つしかない日々を過ごし、
バラバラになるところまでが描かれています。
この文章を読んだだけでも、結構怖い感じがしますよね💦
その予想を裏切らない怖さです😎
とは言いつつ、現実の「ママ友」ってこんなもんだよね、とも思います、普通に😓
「あなたと距離を置きたいです」という感情や、「どんな小さなことでも全て
誰よりも知っておかなければ気が済まない」感じを、誰が見ても分かるほど出して
しまった時点でうまくいくはずがないのですが、この作品では総まとめ集のように
出てきます💣
登場人物のママたちのようにぶつかってしまったら、卒園まで本当に地獄の日々になって
しまいますし、子供への影響もありますので、現実にはここまで表面化することは
ありませんが、
ママたちのセリフや思いのひとつひとつに注目すると、思い当たる部分が出てきて、
「こうされたらそう思うよね」「戦わずに距離を置くって、相手には余計に腹立た
しかったりするのね」と、同意したり分析したりしながら「ふむふむ」と一気に
読めてしまいます。
幼稚園での小学校受験ママの感情
私自身は娘ちゃんが受験を決めるまでは、公立・国立・私立の通える学校は全て候補
であり、「受験しない」とは決めていないスタンスでしたし、受験を決めてからも、
塾も志望校も全く隠すことなく過ごしてきました。
幼稚園なんて狭い世界ですから、隠したって苦しくなるだけかな、と思うし、宣言して
回るわけでもないので、聞かれたらそのまま話すだけで、けんかを売るようなことも
しません。
一方で、「貝になる」を決め込んでいるママ、受験を決めた子の情報を全部つかんで
おかないと気が済まないママ、受験に全てを注ぎ込みたいので幼稚園は在籍目的で
ほとんど欠席させるママ…、それぞれの考えでつき進んでいくので、ママの世界って
カオスです。
安らげる場所
そんな小学校受験の中で、利害関係が一致して、意外と安らげるのがお教室のママ友
でした。
作品の中ではわが子可愛さにはっきりと主張してくるママと、物事の善悪ではなく、
対処能力を優先する先生が出てきますが、娘ちゃんの通っている教室は、全員で
合格できるよう、協調体制がとられます。
(実際、そうでないと、本番でちょっかい出されても困りますからね)
物事の善悪をしっかり指導した上で、全員が合格できるような集団へと
導いてくださいます。
それが、ママたちにとっても良い効果があります。裏でママたちが足のひっっぱり合い
をしているようでは、子供たちがうまくいきません。受験番号がなるべく固まって取れる
ように工夫し、行動観察、集団行動で「3人組を作って手をつないで座ってください」と
ご指示をいただいたら、即座にお友達と手をつないで座り、チーム戦で負けても、勝った
お友達に拍手が出来る落ち着いた気持ちでいられるには、いろんなことを共有し、協力
し合える日常が大きくモノを言います。
教室の策略と言えばそれまでですが、ママたちも子供と同じようにうまくいっていること
が大事になってきます。
合格してからも本当にお長い付き合いになりますし、入学前からこんな関係づくりが
出来ていることも助かったと思えると思います。
とは言いつつ、入学すると他の塾の子たちと混じりますから新たな戦いが始まるわけ
ですが…💧。で、またこの小説の世界が闇で繰り広げられる…?!💨
怖いもの見たさ?!
ちょっと覚悟は要るかもしれませんが、よかったら読んでみてください😊
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